esports

近年のeスポーツの急速な発展に伴い、高校でもeスポーツ専門のコース・学科を設置する動きが広まっています。eスポーツの市場は右肩上がりで拡大しており、2025年には200億円規模になるとも予想されています。

そんな中、eスポーツ専門校に関心を持つお子さまの保護者としては、子どものやりたいことを最優先にしてあげたいと思う一方で「ゲームばかりの生活になるのではないか」「進学・就職できるのだろうか」といった不安を感じているかもしれません。

ここではeスポーツ市場の最新の動向と高校でeスポーツを学ぶメリット・デメリット、具体的に学べることや進路までお伝えします。

目次

【最新】日本(栃木・北関東)のeスポーツ事情

「eスポーツ」は、それまでのコンピューターゲーム、テレビゲームに端を発し、1980〜90年代の格闘ゲームブームの頃には、すでに言葉として使われ始めていました。

2007年第2回アジアインドアゲームズ(アジアオリンピック評議会主催)で従来の「スポーツ」の正式競技としてeスポーツが採用
2016年日本にeスポーツのプロリーグが誕生
2018年日本eスポーツ連合(JeSU)が発足
2019年茨城国体の文化プログラムとして「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」が初開催
2020年群馬県が全国初のeスポーツの専門部署「eスポーツ・クリエイティブ推進課」を設置
2022年全国都道府県対抗eスポーツ選手権2022TOCHIGI開催
2023年11月日本eスポーツ連合栃木支部認定
2023年12月とちぎeスポーツフェスタ初開催

2019年に茨城国体の文化プログラムとして初めて都道府県対抗選手権が開催されるなど、北関東は行政も積極的にeスポーツを推進している国内でも有数の地域です。

国内eスポーツの市場は数百億円規模

日本におけるeスポーツ市場の規模は年々成長を続けています。2020年代初頭のコロナ禍においても、オンラインでイベントを開催できることを強みに成長は鈍化することなく、ここ数年はオフライン開催との相乗効果によって、さらに拡大しています。2025年に向けて市場規模は年平均20%を超える成長を続けると予測されています。

出典:日本eスポーツ白書2023

高校生の二大全国大会「STAGE:0」と「NASEF JAPAN」

高校生年代では2つの主要なeスポーツの全国大会が開催されています。

  • STAGE:0(高校対抗全国eスポーツ大会)
    同じ高校内のチームで日本一を争う、高校対抗eスポーツ大会。2019年に初開催。毎年8月に全国大会グランドファイナルが行われる。2025年は大阪・関西万博で開催予定
  • NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権
    国際教育eスポーツ連盟ネットワーク(NASEF)日本支部が2023年に立ち上げた大会。12月に全国決勝を開催

eスポーツを本格的に学べる高校が増加中

eスポーツの市場規模が拡大し、産業として期待されるようになったことで、国内ではeスポーツを専門的に学べる高校が増えています。2018年に日本で初めて通信制高校でeスポーツコースが開講されたのを皮切りに、2023年には全日制高校でもeスポーツコースが生まれるなど、全国の高校が積極的にeスポーツを教育に取り入れ始めています。

高校でeスポーツを学ぶメリット

高校の学習カリキュラムの一環としてeスポーツを学ぶことには、以下のようなメリットがあります。

成長年代での知識・スキルの習得で将来の可能性が広がる

新しい情報を吸収する能力が高い高校年代で、時間をかけて知識やスキルを学べることは大きなメリットです。ゲームの技術以外にもこの時期に学んだことは生涯のスキルとして、キャリア形成で強みとなります。

また反射神経や瞬時の判断力が求められるゲームジャンルでは、身体能力が高い若年選手の方が試合を有利に進められる傾向にあり、最前線で戦える期間は決して長くはありません。トップレベルのプレイヤーを目指すなら、早い段階で本格的な練習を始めるに越したことはありません。

さらに体系的にeスポーツを学習できることも、学校で学ぶメリットと言えます。

同じ志を持つ仲間と交流できる

高校のeスポーツコースでは「幼い頃からゲームが好き」「周囲から理解されづらい経験をしてきた」仲間と出会えます。

単なる「ゲーム好き」にとどまらず、早期の段階で「eスポーツに人生をかけたい」という熱意を持った仲間との出会いは大きなモチベーションになります。日々、互いを高め合うことで、友人を超えた関係を築くことができ、将来のキャリア形成にもつながるネットワークを広げられます。

「プロ選手」以外のキャリアの選択肢も増える

各高校のeスポーツコースは「プロ選手の育成」を主な目標に掲げていることが多いですが、プロ選手以外のキャリアの可能性も広げられます。

eスポーツコースでは日々の学校生活を通してゲームの技術にとどまらず、チームワーク、コミュニケーション能力、戦略思考、イベント運営のノウハウなど、eスポーツ業界以外の一般企業でも高く評価される能力を身につけられます。

学校によってはデザインやプログラミング、コンテンツ制作などのカリキュラムも用意されています。

今後の市場規模、周辺業界の拡大

先述したようにeスポーツ市場は今後も拡大し続けていくことが予想されています。市場の拡大に伴い、イベント企画・運営、選手のマネジメント、育成、ゲーム実況・コメンテーター、ゲーム開発、マーケティング……など、eスポーツに関わるさまざまな仕事が生まれ、需要が増えると予想されます。

考えうるデメリット|学習時間、学費、社会的な理解

一方で高校でeスポーツコースを選択することで想定されるデメリットには、以下のようなことが挙げられます。

  • eスポーツ以外の一般的な科目の学習時間が減る(受験に不利)
  • 現状は私立高校が多く金銭的な負担になることもある(年間の学費は50〜70万円程度かかる学校が多い)
  • eスポーツへの社会的な理解が進んでいない

しかし昨今の企業の高卒採用の増加や、行政の高校生への学習費の支援、eスポーツの認知の拡大など、これまでデメリットだと思われてきたことにも変化が表れています。

eスポーツ「コース(科)」と「部活」の取り組みの違い

高校生がeスポーツに取り組む手段には、専門コース(科)以外にも「部活動」があります。2021年のテレビ東京の調査によると、「eスポーツを部活動・同好会として学校で取り組んでいる」と回答した学校の割合は、前年比で約2倍に増えたというデータもあります。

eスポーツを学習課程で学ぶ場合、部活で取り組む場合とで、それぞれのメリットは以下のとおりです。

【コース(科)で学ぶ】

  • プロ、専門的な知識を持つ講師から体系的な知識を学べる
  • 最新、ハイスペックの設備で取り組める
  • eスポーツの技術だけでなく、関連する幅位広い分野のスキルを学べる
  • eスポーツ関連の就職・キャリア形成に近づける

【部活で取り組む】

  • 一般的な勉学にも比重を置き、両立を目指せる
  • eスポーツ以外の進路を検討する生徒も参加できる
  • 比較的、金銭的な負担が少ない

eスポーツコース(科)卒業後の具体的な進路例

eスポーツコース(科)卒業後の進路について、各学校が公表している主な実績をまとめました。

【進学】

  • 大学(国公立大学、私立大学、短期大学)
  • 専門学校(デザイン系、IT系、調理系……)

【就職】

  • プロゲーマー(個人・チーム所属)
  • イベント会社
  • プロチームマネジメント会社
  • 映像制作会社
  • その他IT業界

【関連業種】

  • ゲームデザイナー
  • ゲームプロデューサー
  • ストリーマー
  • イベント運営会社 など

高等教育におけるeスポーツコースの歴史は浅く、まだ実績が少ないことは事実です。そのため各校ともきめ細かい進路指導を行い、生徒の可能性を広げるべく取り組んでいます。

栃木市・宇都宮市でeスポーツが学べる「成美学園 eスポーツ科」

【2024年度版】成美学園eスポーツ科ってどんな学科?

2007年に開校した通信制高校・サポート校「成美学園高等部」では関東25か所、約2,000名の生徒が高校卒業資格の取得に向けて学園生活を送っています。そんな成美学園が2021年に【3年間でプロeスポーツ選手を目指せる】eスポーツ科を立ち上げました。

2024年現在、全国の7キャンパス(約150名の生徒が在籍)に拡大しており、栃木県内の高校としては初めて栃木校・宇都宮校の2校でeスポーツ科を開校しました。

成美学園 eスポーツ科の取扱タイトル
VALORANT
Apex Legends
Fortnite
LoL(League of Legends)

2種類のコース

成美学園 eスポーツ科では、大会での上位成績やプロeスポーツ選手を目指す「競技コース」、初心者を含むすべてのゲームが好きな生徒がeスポーツに関わる知識やスキルを学べる「総合コース」の2コースを用意しています。生徒それぞれの目的や目標に合わせてコースを選べます。

高校卒業とプロゲーマーを目指す

「ゲームが大好きな子どもたち誰もが活躍できる居場所を提供したい」という想いから発足した成美学園のeスポーツ科では、3年間で通信制高校 [成美学園高等部 一般通信クラス] の高校卒業資格の取得と、プロeスポーツ選手を目指します。

カリキュラム丨午前は個別学習・午後はeスポーツ

eスポーツ科では午前中に学習やPCスキル習得を行い、午後からeスポーツの活動に取り組みます。

午前中の40分×3コマの授業時間は個別でレポート学習を行います。生徒それぞれが自身の理解度に合わせて学習を進められます。

▼eスポーツ校 1年生の時間割例

多様な学習カリキュラム

学習の時間では高校卒業資格の勉強はもちろんのこと、社会での活躍を見すえた独自のカリキュラムも用意しています。世界で活躍するための英会話、プロのトレーナーによるメンタルトレーニング、関連するIT系のスキル(動画編集、デザイン、プログラミングなど)を習得できるプログラムもあります。

プロ選手からの直接指導

成美学園のeスポーツ科ではさまざまなゲームタイトルで活躍するプロ選手から直接指導を受けられます。経験にもとづいた戦略、戦術、マインドの指導などを直々に受けることで、プロ選手になる夢を現実的なものとして捉えられるようになります。

成美学園では「ゲームがうまいだけの選手」ではなく、「ファンやスポンサーから応援される魅力的な選手」への成長を目指します。

大会への参加を積極的にサポート

成美学園では日々の学習内容の実践の場として「STAGE:0」や「NASEF JAPAN」などの高校生大会への出場を積極的に後押しします。競技コースと総合コース、どちらの生徒も参加できます。

プロ選手から学んだスキルで日本一を目指しましょう。活躍によっては、プロチームによるスカウトがあるかもしれません。

企画力を養うイベントも

成美学園 eスポーツ科には魅力的な校内イベントもたくさんあります。体育祭などの感動や興奮を共有できる行事、生徒が企画する「夏の陣」「春の陣」といったイベントでは「どうすれば他の人が楽しめるだろうか」と真剣に考えることで、自然と企画力も養われます。

熱意を持った仲間と好きなことに挑戦できる環境へ

eスポーツは今まさに発展のさなかにあり、今後も国内外で注目されるコンテンツであることは間違いありません。一方で高等教育におけるeスポーツ科/コースの歴史は浅く、進路に不安を感じるかもしれません。

成美学園 eスポーツ科では勉学とeスポーツの活動を両立できるカリキュラムを用意しており、生徒の選択肢を広げられるようにサポートします。ゲームのスキルアップだけでなく、魅力的で社会に求められる力の習得を目指します。

eスポーツ科には本当にゲームが好きな熱意を持った生徒が集まります。自分の好きなことに思い切り挑戦でき、仲間とともに【感動・興奮・達成感】を共有できる成美学園のeスポーツ科で最高の高校生活を過ごしませんか。