音楽とアートのある場所で、自分の学校生活をつくる。府中校舎でできること

成美学園高等部府中校舎

府中校舎には、楽器が増え続けています。

キーボード、ギター、電子ドラム——まだ箱から出していないものもある。「次は何を置こう」という話が続いているということが、この校舎の空気を表しています。

府中校舎のキーワードは「音楽とアート」です。

この記事では、府中校舎の活動・環境・2026年10月から始まるスクーリング一体型の仕組みをまとめます。先生と校舎の雰囲気を紹介した記事Bと合わせて読むと、府中校舎の全体像が掴みやすくなります。

音楽とアートのある日常

府中校舎のコンセプトは「音楽とアート」です。アトリエのような空間に楽器が置かれ、アートの制作物が並ぶ——そういう環境をつくることを、勝又先生は開校当初からこだわってきました。

音楽の活動

火曜日はギターレッスンの日です。月・水曜日は勝又先生が音楽を担当します。

「ギターを弾いたことがない」というスタートから、5〜6か月で1曲弾けるようになることを目標にしています。曲はあいみょんの「マリーゴールド」や優里の「ドライフラワー」——生徒が聴いたことのある曲から入ります。

「未経験者がマリーゴールドをギターで弾けるようになる」という事実が、生徒の自信につながっていきます。

うまく弾けなくていい、という空気が、この校舎の音楽には流れています。最初から弾けない人ばかりだから、比べる必要がない。それが逆に、続けやすさになっている。

アートの活動

アクリルペイントアート、フラワーアレンジメント、ハーバリウム——アートの活動もこの校舎の日常の一部です。

今後は、クラフト系のスキルが高く人気を集めてきたあみ先生が合流する予定です。音楽とアートのどちらから入っても、自分の居場所を見つけられる環境があります。

アートが、才能を開いた

音楽やアートは、単に「できることが増える」だけではありません。それまで気づかれなかった才能が、ここで初めて見つかることがあります。

書くことに困難を抱えていた生徒がいました。他の学校で「字が書けない」というところで詰まってしまっていた——そういう背景を持つ生徒です。

その生徒がアクリルペイントアートに取り組んだとき、何かが変わりました。

絵を描いている作業の中で、「これは違う」という感覚を自分の手で体感した。完成した作品に、タイトルと制作コンセプトを自分の言葉で書いた。

その子がつけたタイトルは「海の森」「星の神様」でした。

字を書くことが苦手だった子が、作品に言葉をつけた。それは誰かに促されたのではなく、自分がつけたかったから書いた言葉です。

「書けない」という状態は、その子に表現する力がないということではなかった。表現したいものに出会っていなかっただけだった——そのことが、この校舎の日常の中で証明されていきます。

2026年2月、表参道ギャラリー展示

2026年2月、表参道のギャラリーを借り切って、成美学園グループ全体の生徒作品を展示するイベントが開催されました。

府中校舎からは、4名・5作品が参加。全校舎の中で最多出品数でした。

普段の学校行事に参加することが難しかった生徒たちの作品が、表参道のギャラリーに並んだ。その事実が、この校舎のアート活動の密度を示しています。

夢プロジェクトと自由な時間

「夢プロジェクト」という自由活動の時間があります。

月・水曜の音楽(キーボード)、火曜のギターレッスンと、週の中にリズムがある。ギターレッスンの前日は予習、翌日は復習——先生に言われてではなく、自分でその流れに乗っていくことが、府中校舎での過ごし方になっていきます。

決まったプログラムをこなすだけの時間ではなく、自分が今日何をやるかを自分で決める。それが「夢プロジェクト」の意図です。

何をするかを自分で決める、という経験は、小さいようで積み重なっていきます。「自分で選んだ」という感覚が、自信に変わる。府中校舎では、その小さな積み重ねを毎日つくろうとしています。

独自の文化祭イベント

11月に「独自の文化祭イベント」を計画しています。この文化祭は府中校舎独自の文化祭です。

「イベントの名前には、目標という意味が込められています。

時間帯内容
午前高等部の学校説明会
13時〜フリースクール生の保護者向けイベント
14時〜生徒によるアート展示発表・音楽演奏

演奏するのは、今まさに練習している曲たちです。そして当日、生徒から保護者へのサプライズがあります——それがこの文化祭のもうひとつの意味になっています。

「5月から練習を始めた未経験者が、11月に保護者の前で演奏する」という一年のストーリーが、この校舎にあります。

アート展示も、この日に向けて積み重ねてきた作品が並びます。表参道のギャラリーで作品を発表した経験が、この文化祭にもつながっていく。一つの目標に向けて地道に取り組み、たくさんの人に見てもらうという体験が、生徒にとって大きな転換点になることがある。

府中校舎の1日の流れ

府中校舎では、毎朝「自分デザインシート」を書くことから1日が始まります。

「今日は自分への挑戦か、心地よい過ごし方か」——自分で選んで、やることを書く。帰り際には今日の振り返りを書いて、保護者がそれにハッピーメッセージを書いて返す。この毎日の積み重ねが、自己決定する力になっていきます。

時間帯内容
登校後自分デザインシートを記入
午前学習・個別対応
自発的に掃除(生徒主導)
午後夢プロジェクト(音楽・アートなど)
帰宅前自分デザインシートの振り返り記入

「他の学校には通えなかった生徒が、ここには毎日来る」——その背景に、このような日常の設計があります。

自分でやることを決めて、動いて、振り返る。それを毎日繰り返す。この習慣が、進路を選ぶ力の土台になっていくと、勝又先生は話します。

2026年10月から、スクーリングが府中で受けられます

成美学園高等部 府中校舎では、2026年10月よりスクーリングが校舎内で実施されます。

通信制高校の生徒は、年に数日のスクーリング(面接指導)を受けることが卒業要件のひとつです。多くの校舎では、スクーリングのためだけに別の場所に行く必要があります。府中校舎では、その必要がなくなります。

スクーリングには、各校舎の個性的な先生方が府中校舎に来て授業を担当します。普段顔を合わせない先生たちと出会える機会でもあります。

項目内容
開始時期2026年10月〜
場所府中校舎内
担当各校舎の先生方(10名近く)

府中校舎には、成美学園グループの中でも特徴的な環境があります。中学生の在籍数が多く、成美学園で中学生を受け入れている5箇所の校舎の中でもトップクラスです。

これまで中学生が中心だった校舎に、高校生が加わる。そこにスクーリングが始まることで、中学生・高校生が同じ空間で学ぶ「中高一貫に近い環境」が、この秋から本格的に動き出します。

他の校舎ではなかなか見られない構成です。異なる年代が同じ場所で学ぶことで、先輩・後輩という自然な関係性も生まれていく。

フリースクールで毎日通える実績があるこの校舎だからこそ、高校生が毎日来られる土台もあります。

アクセス・通いやすさ

府中校舎は、府中駅南口から徒歩2分の場所にあります。

項目内容
最寄り駅府中駅南口(京王線ほか)徒歩2分
登校時間相談のうえ決定
開校年度2024年度(開校2年目)

府中は複数の路線が乗り入れており、多摩・調布・立川・八王子方面からもアクセスしやすい立地です。電車で通いやすいこともあり、府中市内だけでなく近隣の市から通っている生徒もいます。

「見学に来てみないとわからないことが、たくさんあります」と勝又先生は話します。まずは一度、実際に来てみてください。

まず、来てみてください。

楽器があって、アートがあって、自分のペースで過ごせる場所——文章で伝えられることには限りがあります。

生徒が毎日来る理由、掃除を自分から始める理由、作品にタイトルをつける理由。それは校舎に来て、空気を感じてはじめてわかることです。

見学・相談は随時受け付けています。「検討中」という段階でも、気軽に足を運んでみてください。